「外村吉之介の眼力」で民藝の魅力を体感しませんか

企画展:外村吉之助の眼力

コロナウイルス感染症拡大防止対策で休館していた熊本国際民藝館ですが、6月より開館し、延期になっていた企画展「外村吉之介の眼力」も始まりました。

今回は、熊本国際民藝館の初代館長で、民芸運動の実践家でもあった外村吉之介が世界中から収集した所蔵品を、編組品、染織物、ガラス、金工などのテーマに分けて展示しています。

民芸品を「毎日一緒にいてよく働いてくれる道具、もの言わぬよい友達」と語り、だからこそ「無駄のない威張らない美しい色や形」をしているという外村さん。このような美しいものを使う暮らしこそが、誰でもできる美しい暮らしだといいます。

一つひとつのコレクションを見ていくことで、美しい暮らしを支える美しいものとはどんなものなのか、外村吉之介の視点を体感していただけるよう展示しています。

たくさんの展示品の中から、いくつかをピックアップしてご紹介します。

 

貼菊文甘酒半胴甕

貼菊文甘酒半胴甕
どっしりした黒い艶やかな肌に大胆な菊の模様が施された甕。江戸中期、鹿児島で作られたものです。

 

日本と韓国の背あて

背あて
秋田、岐阜、中国で使われていた「背あて」。素材が日本のものは樹皮で中国のものはとうきび皮と異なります。国が違えど形が同じなのが面白いですね。
日本のものは端切れも編み込まれていますが、色をそろえてあるところにお洒落心も感じます。

 

上布、芭蕉布

上布・芭蕉布
沖縄の竹富島、首里、読谷などで織られていた上布や芭蕉布。色や柄だけでなく、質感も少しずつ異なります。

 

食器かごと肥後まり

茶碗籠と肥後まり
広島で作られた茶碗籠は外村さんがとても気に入っておられた一品。中に入っている肥後まりも、外村さんの手で民芸品として完成されました。

 

アイヌの織物アットシ

アットシ
アットシとはアイヌの織物。木の内皮の繊維を使ったもので衣服に使われていました。背中の鮮やかな模様が目をひきます。

 

世界の台所用品

台所用品
さまざまな国の台所用品。毎日使うものだからこそ、機能性に優れ、使いやすいように改良され続けたものばかりです。「用即美」とはこういうものをいうのでしょうね。

 

外村吉之助の著書

外村吉之介の著書
和室に外村吉之介の書著を並べています。中でも『少年民藝館』は外村さんの民藝に対する思いがわかりやすく書かれている名著です。ゆっくり読んでいただけます。

 

外村吉之助『少年民藝館』の序文

少年民藝館の序文
外村吉之介著『少年民藝館』の序文を印刷して展示しました。ぜひ、最初に読んでみてください。

 

展示品の説明

今回の展示では、各テーマのコーナーに、展示品についての外村吉之介の言葉も一緒に展示しています。ぜひ、ご一読ください。

 

企画展:外村吉之助の眼力

展示は7月31日(金)までとなっています。
通常は展示されていないものもたくさん見ていただけます。

みなさまのお越しをお待ちしております。

外村吉之助が語る民藝

 

※熊本国際民藝館では、マスク着用、入館の際のアルコール消毒など、コロナウイルス感染症拡大防止対策を行っております。